冬に咲くサクラ。
お正月。
旧暦にならって「新春」と呼ぶけれど、
寒さ厳しい北国の春はまだずっと先で。
そんな季節に、花を満開にするサクラ。
香り、上品さ、気品あふれる啓翁桜。
白からほんのりピンク色のグラデーション。
可憐な花びらと穏やかな香りが、
春を待ちこがれる心を和ませる。
秋になって寒さが増すと、
啓翁桜は
スリープモードに入って、
冬を越し、
春の開花にそなえる。
花を咲かせるには、冬眠が必要なんだ。
8度以下で500時間くらい。
と、花咲かじいさんの渋谷さん。
山形は秋が早い。
それだけサクラも
早く眠りにつける。
だからこそできる
開花調整の仕組み。
蕾の数が多いのも、
そのおかげ。
眠りが足りたら切り出し、温室に入れる。
目覚めさせて、春が来たと思わせる。
そうだね。少しだけ早起きしてもらう。
申し訳ないけど。
こうして、繊細に温度を加減し、
温かな室内で、春を咲かせてくれる。
新春のめでたさに花を添えるとは、
まさにこのこと、かな。