当たり前のことを丹精を込めて。
平吹さんの田んぼは、土のにおいがする。
おいしさの予感というか、
土を愛する「ココロ」のにおいというか。
冬の間眠っていた田んぼを目覚めさせる
「なわしろ」がおわり、水が張られる頃には、
苗も青々と美しく育つ。
今は機械をいかにうまく使うかも大切。
けれど、気持ちは「手植え」といっしょだな。
当たり前のことを、大事に、大事に。
平吹さんが言う。
田んぼをキレイに使えとか、
山肌の残雪が「177」に見えたら、
田植えの時期だとか、
昔から伝わる変わらないことが、
今もおいしい米作りを支えている。
手間をかけ時間をかけ、
緑色の絨毯は
ほんのりと
黄色味を増していく。
やまがたの
夏は暑く短い。
急ぎ足で
秋がやってくると稲刈り。
それはうれしいよ。
心配もおおきいけど、うれしいよ。
「食べるもの」をつくっているのは、
誇らしい気持ちもあるから。
「いただきます」の目の前に、
湯気をたてたピカピカなごはんがある。
このシアワセな感じは、
やっぱり、ごはんじゃないと。